こんにちは。
横浜市港北区の歯科医院
眞美デンタルオフィスです。
当院では通常の歯科治療と共に、東洋医学や脳歯科などのホリスティックな治療を取り入れて、患者様に最適な治療を選択するようにしています。
先週、イグ・ノーベル賞栄養学賞を東京大・中村裕美特任准教授及び明治大・宮下芳明教授が受賞されたというニュースが配信されていました。
イグノーベル賞とは「人々を笑わせ考えさせた研究」に与えられる賞。ノーベル賞のパロディーとしてマーク・エイブラハムズが1991年に創設した。(Wikipediaより)
ということです。
この研究ではスプーンやお箸などの食器に電気を流し、食べ物の味の変化が起こることを明らかにされました。
顎や首の後ろに電極を貼ることにより、食器から舌を離しても変化した味覚が持続するという研究もされているようです。
食器はエレキソルトという名前でキリンホールディングスと共同研究が進んでいて、年内発売予定とのことです。
これにより、塩味を強く感じられるので減塩食の味気なさを改善できることが期待され、食事制限をされている方にとっては朗報なのではないでしょうか?
先日、金属スプーンを口に運ぶとゾワゾワして使えないという当院でのお話をブログに投稿しました。この時は脳歯科的なアプローチをして改善を得られています。
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このような経験があるので、このニュースを聞いて色々なことが浮かびました。
口の中にある金属によっては、味覚の変化は異なるのか?
使い続けることによって、口の中の金属に電気分解は起きないのか?
ペースメーカーを使用している方には使えないのか?
など、調べてみたいと思います。
いずれにしても電流と味覚の関係が密接なのだということが明らかにされ、歯科的にはとても興味深く、続報も期待しています。
味覚の変化というと、歯科では味の感じられない味覚障害や先ほどの金属味、常に口の中がしょっぱい感じがする、苦みを感じるなど、どちらかと言えばネガティブなイメージで語られる方が多いものです。
味覚の分布は下図のようになっています。舌の部分によって
甘味、塩味、酸味、苦味を感じる場所が違います。
下図は手描きで書き足したので、お見苦しいかと思いますが、分布はわかっていただけるかと😅
味覚障害は舌の粘膜表面の性状の変化であったり、薬の副作用、亜鉛不足、貧血、加齢、糖尿病などの全身疾患と原因は様々です。
味を感じるのは味蕾という部分です。
味蕾は味を感知する細胞が特に集まった部分で、舌や口蓋奥に分布しています。
病気や服薬のない方でも加齢によりその数が減少し、味覚が鈍化してしまうこともあります。
若い人でもストレスや栄養の偏りで味覚障害が出ることもあります。
最近では、ここ数年世界中のパンデミックを引き起こした感染性疾患の後遺症としても度々話題に登りました。
味蕾で感じた味覚は神経を伝わって脳に送られるのですが、身体の神経内の伝達は近くのみならず、全てが電気的信号として送られます。
口の中の刺激と脳の認知は脳歯科とも繋がり、更に興味が湧くところです。
このようなことから外部からの通電で味覚変化するというのは、とても納得できることですが、今まで突き詰めて検証しなかったあるいは形にしなかった所に着手した事はこの研究の素晴らしいところだと思います。
味覚は香りや温度、食感など、とても複雑な感覚の総合的なものであり、完全な再現は困難かもしれません。
それでも将来的に舌と電流の研究が進み、難治性のことも多い味覚障害で苦しんでいる方の治療法へと発展することを期待しています。
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