Dr.マミの歯のブログ

脳歯科って何?

2022年3月11日 (金)

こんにちは!

横浜市港北区日吉本町 日吉駅近くの歯科・歯医者 眞美デンタルオフィスです.

 

当院では去年の秋に1部屋を改装をして、歯科治療の診療台の横に整体用のベッドを置きました.歯医者に整体ベッドは異質な感じがすると思いますがそれは「脳歯科」という治療を行うためです.

脳歯科とは?何をやるの?という方がほとんどだと思います.

脳歯科とは口腔から全身を治す治療です.

とは言え、実際のお口の中でやることは通常の歯科治療で行うことと同じです.

ただ治療に至るまでのバイデジタルOリングテストやバランステスト、肩関節や股関節、膝の柔軟性、筋力のチェックなど様々な診査で口腔内の刺激が体に及ぼしている部分を特定して、その影響を取り除く目的で治療を行なっていくことが通常の歯科治療と異なる点です.

 

実際の当院で脳歯科の治療を受けた1人の患者様のお話をご紹介します.

その方は長年足の親指が動かなくなっていました.足に力も入らず片足立ちも1秒もできないという状態でした.

食いしばりもひどく、首肩の運動制限もありました.

診察前の問診で、ご本人は「ぎっくり腰も度々発症し、腰が悪いせいで足も悪くなっていると思う」とお話しされていました.

ご本人歯肩こりや食いしばりが無くなればいいなという動機で脳歯科の治療を受けることにされたのですが、問診の中で足や腰のお話も伺うことができました.

 

脳歯科の診査をしてみると横や前から体を押されるとふらつきがあり、肩関節、股関節の可動範囲も狭くなっていました.

 

全身から口腔内に診査を進めると右下に異常が認められ、ここで初めてお口の中を拝見したところ右下奥歯の詰め物が取れて歯の鋭い尖りがある状態でした。

ここは長い期間放置しているとのことで、更に診査を進めるとその歯に原因があるという結果が出たので、まずは鋭い尖りを丸めて仮の詰め物をしたところ、その場で首肩の可動域は大幅に改善され、更にまだOリングテストで反応が出ていた歯の研磨や出っ張りの調整を行いその日の治療は終了しました.

 

すると当日から食いしばりもかなり楽になってぐっすり眠れたとのことでした.

後日その歯には詰め物を入れ治療を終了しましたが、それから体全体、呼吸までもがとても楽になったと喜ばれていました.

2ヶ月後に治療後の経過を見るために状態をお聞きしたところ、先日気づいたがいつの間にか足に力が入るようになっていて、試しに片足立ちをしてみたら1秒もできなかったのが5秒ぐらいできているとのことで実際目の前でやっていただきました.

すると12、3秒はできていて思わす患者様と2人で歓声をあげてしまいました.

 

長年悩まされていた全身の症状が1本の歯の詰め物の治療で大幅に改善したのです.

 

この場合噛み合わせも作用したと思いますが、ちゃんとした噛み合わせが作れない仮のセメントを入れただけで即時に著しい改善が見られたということは、痛みを自覚しないような舌への僅かな刺激や歯の段差が首腰肩足などに大きな影響を与えていたと考えています.

長年続く慢性的な不調はその場所だけではなく、繋がっている体の離れた場所に治療のポイントがあることは東洋医学の経絡という考え方でも示されています.

 

右足を痛めたら左の腰が痛くなった、ということがあります.

右を庇うことで左足に負荷がかかり、足を動かす筋肉が緊張して腰にまで及んだということは理解しやすいかと思います.

この場合、右足が治らないと腰痛は改善されないだろうと何となく予想できます.

これと同じことが今回のケースにも言えるということです.

足と口腔ではあまりに部位が離れているし、ましてやたった一本の歯で??と思われるかも知れませんが、詰め物が取れて尖ってしまった歯の刺激を避けようと無意識に舌の位置が変わるとそれだけで顎の位置も変わります.するとそこから下の首→肩→腰→足 へと影響が及んだのではないでしょうか?

そうなると一番の源流、顎の位置を正すことが全体の改善になったと考えられます.

ただここで大事なことは、顎の位置→噛み合わせの調整ではないということです。下顎の位置は筋肉や骨格、歯の当たり具合で決まりますが、特に骨格は瞬時に変えようもありませんし、歯のぶつかり具合を変えただけで全てが解決するわけではないと考えています.

なぜなら人間は1日の大部分は上下の歯が噛み合っておらず、「安静位空隙」という隙間が上下の歯の間に存在するのが生理的な状態だからです.

 

このことからむやみに歯の噛む面を変えても必ずしも全てが解決するとはならないと考えています.

 

また自覚症状はなくても常に不快な刺激が歯に加わっていたことで、身体の司令塔である脳には不快な状態の異常信号が送られていて本来の生理的機能が影響を受けていたと考えることもできます.歯と脳は位置的にとても近い関係にあり、脳神経の中でも太い三叉神経で繋がっています.

口の中の信号が脳に影響していると考えるのが脳歯科の考え方です.

今回ご紹介した症例でも示されているように口の中の刺激が身体の症状と関連しているのであれば、取り除くことで感覚であったり運動機能を改善する、姿勢が変わって胸郭が開き呼吸が楽になる、食いしばりが軽減するなどの変化が期待できます.

お口の中の刺激は尖っていたり、出っぱっていたり、もしくは詰め物、被せ物の材料の性質であったり、もちろん虫歯や歯周病であったりと様々です.この箇所を特定するためにOリングテストでの様々な部位の診査がとても大切になります.

 

もちろん体の不調が全て口の中に原因があるということではありません.全く関係ないと判断するときもあります.

ただ口の中の状態が体に与える影響は一般的な感覚よりも予想以上に大きいと思われます.

 

お口の中の原因を取り除くことがなかなか治らない慢性的な痛みの解決につながることもあるという認識も必要ではないでしょうか?

 

 

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歯ブラシがすぐ開いて困っている方に

2021年12月16日 (木)

こんにちは!横浜市港北区日吉駅近くの歯科、眞美デンタルオフィスです。

 

 

 

 

今まで何度か歯ブラシの交換タイミングについて書かせていただきました。

医院でも、歯ブラシ指導の際に毛先が開いてきたら交換して下さいとお話をしているのですが、「毛先がすぐ開いちゃうんですよね〜」もしくは「主人の歯ブラシがすぐ開くんです」

というようなお話をよく伺います。

 

 

 

相当力を入れて磨いていらっしゃるのがわかります。
いきなりソフトに動かすと、磨いた気がしないと感じられるのもわかります。

そんな方にピッタリだなぁという歯ブラシが発売になり、試供品をいただいたので使ってみました。

 

 

LION社のオーバーブラッシングケアという製品です。

力を入れすぎると、柄の部分が折れ曲がり、カチッと音が出る仕組みになっています。

Polish_20211216_091605295 (さらに…)

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くいしばりで頭痛がするんですか?

2021年12月11日 (土)

こんにちは!

横浜市港北区日吉駅近くの歯科、眞美デンタルオフィスです。

この間、題名の通りのご質問をいただきました。

くいしばりで頭痛がするんですか?

答えはYESです。
両方の手のひらで耳の上のあたりを包み込むように触りながら、お口を開け閉めしてみてください。
頭を取り巻いている筋肉が動いているのが感じられると思います。

動いているのが側頭筋という筋肉です。顎の動きというと顎の周りだけと考えがちですが、かなり広範囲の筋肉が顎の運動に参加ているのです。

くいしばることで側頭筋が緊張し、頭痛が起きることはめずらしくありません。

ご自身ではお風呂に入っていて優しく包み込むように頭を触り、頭皮を軽く動かしてみると少し緊張が和らぐと思います。あくまでもそっと触ってください。その方が緊張が取れやすいです。

噛み合わせに関わる筋肉の痛みは顎関節症の1つの症状です。

以下私が学んでいるTIADSという鍼灸の勉強会のテキストを一部引用。

顎関節症は中医学的には(いわゆる東洋医学的には)全身的な氣血の流れが滞って症状が顎関節に出た病態とされます。

冷えやストレスなどで悪化します。
発汗や下痢の継続 血の滞り 熱感や腫れでも悪化します。

治療には足の陽明胃経のツボを用いますが、陽明胃経というのは顔から足先まで繋がった連絡路です。
引用以上

身体の連絡網は顔面部から足先まで繋がっているということですね。

症状のある所のそばに原因があるとは限らず、遠くに原因があるということもあるんだなぁと納得できます。
その中でも頭に存在する経穴(ツボ)の一つに頭維(ずいい)があります。

髪の生え際の角から1.5センチくらい上になります。
こちらも指で優しく押してみてください。

顔、頭に付いている筋肉が緊張していることが多いので、お風呂などではマッサージをすると楽になると思います。

噛むことに使う筋肉はまだたくさんあります。

そちらの緊張についても、また書かせていただきたいと思います。

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歯と生命保険

2021年12月2日 (木)

こんにちは!横浜市港北区 日吉本町 日吉駅近くの歯科 眞美デンタルオフィスです。

先日インターネットの時事通信社の配信していたニュースで驚いたことがありますのでその内容をご紹介したいと思います。

 

国内大手保険会社が認知症保険を販売することを発表しました。

この保険の特徴は契約者の70歳時の歯の残っている数によって保険料を割引するという特徴があるそうです。

残っている歯の本数によって保険料を1~3割程度割り引くというもので、歯の本数を条件にした制度の導入は業界初とのことです。

 

今までは事前に健康診断を受けて、全身的に大きな問題があれば契約できなかったり、保険料が割増になることが多かったと思いますが、歯が対象になるということに驚きました。

 

この保険を契約するには事前に残存している歯の証明書がいるそうで、歯科健診が必要になるのではないかと思います。

 

保険会社側としては、契約者の保険料納入期間と認知症と診断された後の会社が支払う保障料の支払期間のバランスを考えた上での仕組みです。

 

それだけ認知症発症リスクと噛めることに大きな関連性があるという認識が一般化してきているのだと思います。

 

この保険の加入は70歳までとのことで、若いうちから歯を守ることが必要ということになりますね。

 

歯科的にはしっかり噛めないと脳血流も増加しないので、グラグラだったりしていると認知症予防には繋がらず本数だけではカバーできない問題もありますが、こうやって歯との関連性が公になることは良いことではないかと思い紹介させていただきました

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歯は鍛えることができますか?

2021年11月16日 (火)

こんにちは!横浜市港北区日吉駅近くの歯科 眞美デンタルオフィスです。

 

とある患者様から最近こんなご質問をいただきました。

 

「歯は鍛えることができるのですか?」

 

 

どうしてこのような疑問を持たれたかお伺いしたところ、

 

パラリンピックの卓球を見ていたら、口でラケットを操っていた外国選手がインタビューで、毎日歯を鍛えている、カルシウムサプリメントなども補給し、歯の強化に努めていると話していたとのことでした。

 

 

結論としては普通の方が歯に負荷をかけて意図的に鍛錬するというのは難しいと思います。

噛み合わせの強い歯が割れないよう自己防衛のために歯の内部に2次的に歯を作って厚みを増すことがありますが、表面が強化されるわけではありません。

意図的に鍛えやすいのは、唇、頬、舌の筋肉だと思います。ここを鍛えればラケットの保持力やストロークのスピード、パワーも上がるでしょう。

 

歯は骨よりも代謝が少なく、また沢山の歯が上下で色々な当たり方をしているので特定の歯を意図的に負荷をかけて密度を上げて丈夫に(割れにくく)することはなかなか難しいです。

そして、2次的に歯を作るには歯の神経(歯髄)の中の細胞が必要なので、神経を取った歯は僅かな歯を作ることも不可能です。

 

と、お答えしましたら「やっぱりねぇ」とがっかりされていました。

 

でも、鍛えることができたらいいのな・・・と、私も内心思った次第です(^^)

 

 

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